側湾症(そくわんしょう)という言葉を聞いたことはありますか?
お子さんのいるご家庭では、学校検診やチェックシートで初めて知った方も多いかもしれません。
今回は側湾症の原因や治し方、やってはいけないことを詳しく解説します。
側湾症と向き合うための知識を身につけ、日常生活での対策に役立ててください。
目次
側湾症とは?
側湾症は、背骨が左右に曲がってしまう状態のことをいいます。
曲がり方がひどくなると、背骨自体がねじれることもあり、特に子どものころに見られることが多く、背骨の変形を指します。
側湾症の主な特徴
- 肩の高さが左右で違う
- 肩甲骨が片方だけ出っ張っている
- 胸の部分が変形することがある
- 体を前に倒すと、背中の肋骨や腰が盛り上がって見える
鏡で自分の姿を見たり、前かがみになった姿勢をチェックしてもらうとよいでしょう。
軽度の側湾症は普段の生活にあまり影響はありませんが、重症になると腰や背中の痛みや、呼吸がしづらくなり体力が落ちたりと、日常生活に支障が出ることもあります。
そのため、早めの発見が大切なのです。

側湾症になる原因は?
では、側湾症になる原因はあるのでしょうか?
この章ではその理由を説明します。
先天的な理由
側湾症の中には生まれつき(先天性)のものがあり、遺伝が関係していることがわかっています。
生まれつきの背骨の奇形、神経・筋肉・組織の異常、外傷、腫瘍などが原因と言われていますが、原因の分からない側湾症(突発性側湾症)が全体の8割以上を占めているのです。
また、思春期に突然発症する側湾症(思春期突発性側湾症)も、遺伝が影響している可能性があると考えられており、現在も遺伝子研究が進められているのです。
遺伝子の変異が原因で発症するタイプの側湾症で、患者の約10%は「TBX6」という遺伝子の変異が関わっていることがわかっています。
さらに、近年の研究で、側湾症の発症に関係する可能性がある5つの遺伝子が新たに見つかりました。
- LBX1
- GPR126
- PAX1
- BNC2
- SOX9
これらの遺伝子を調べることで、発症リスクを予測したり、より良い改善方法の開発が進むことが期待されています。
後天的な理由
後天性の側湾症には、いくつかのタイプがあります。代表的なものは以下の通りです。
- 突発性脊柱側湾症:特に原因がわからず発症するもの
- 機能性脊柱側湾症:姿勢の悪さや筋肉のバランスの問題などが原因になるもの
- 変性側湾症:年齢を重ねることで背骨が変形するもの
- 特発性側湾症:子どものころから変形があり、大人になって進行するもの
多くの側湾症は軽いままで進行が止まり、成長が終わるころには生活に影響を残さないことがほとんどです。
ただし、悪化すると体が変形したり、慢性的な痛みが出るなど、治りにくくなる可能性があります。
重症の場合、肺の変形や内臓への影響が出ることもあり、専門医への相談をおすすめします。
側湾症になりやすい人は?
側湾症は誰にでも起こる可能性がありますが、なりやすいといわれるのはどんな人でしょうか?
自分やご家族に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
思春期の子ども
日本では、軽いケースも含めると子どもの100人に1〜2人が側湾症になるため、決して珍しい病気ではありません。
特に、思春期特発性側湾症と呼ばれるタイプが全体の80〜90%を占めています。
このタイプの側湾症は、小学校高学年から中学生の特に13〜14歳の女子に多く、発症率は同年代の女子で2.5%にのぼり、男子に比べて7倍も発症しやすいとされているのです。
こうしたことから、成長期の子ども、とくに思春期の女子は早めにチェックを受けることが大切です。
男児より女児が多い
側湾症は、女の子が男の子よりも5〜8倍発症しやすいことがわかっています。
また、症状が重くなるほど、女の子の割合がさらに高くなる傾向があるのです。
幼児の頃は、家族と一緒にお風呂に入ったときに気付くこともあると思いますが、思春期になるとそうもいきません。
また、上半身裸になって前かがみになり後ろから歪みを見るため、学校健診では診察が難しいという要因もあげられます。
家族に発症歴がある人
側湾症は、家族に同じ病気の人がいる場合、発症する可能性が高く、遺伝が関係していると考えられています。
特に、一卵性双生児では、片方が側湾症を発症すると、もう一方も発症する確率が90%を超えることがわかっているのです。
このように、家族に発症歴のある人は注意が必要です。
側湾症の治し方は?
側湾症と言われ不安に思う方もいると思いますが、どのような治し方があるのでしょうか。
医学的に効果が証明されている方法には、装具を使用する方法と手術があります。
背骨の曲がりの程度や患者の年齢などを考慮して、どう対応するかが決まります。
経過観察
成長期において、背骨の曲がりが25度未満の軽い側湾症の場合は、定期的にX線検査を受けたり、整形外科の診察を受けて経過観察をします。
特発性側湾症のうち、乳児期に発症する側湾症だけは自然治癒することがあるとされていますが、真の側湾症であれば、自然治癒することはありません。
もし症状が進行した場合は、装具(コルセットなど)を使うことがあります。
装具を使って改善を目指す
一般的に、背骨の曲がりが20度から45度くらいの中等度の側湾症では、症状が進まないように装具(コルセットなど)を使った改善方法があります。
装具は、長時間装着するほど効果が高いとされています。
成長が終わり、骨が成熟して背骨の曲がりが進まなくなった場合、少しずつ装具を外す時間を増やしていきます。
アンダーアーム装具

参照元:側湾症の治療はどのように行われるか?|側湾症TOWN(患者向けサイト)|日本側彎症(そくわんしょう)学会
手術を行う
背骨の曲がりが大きい高度な側湾症を矯正し、これ以上悪化させないための唯一の方法は手術です。手術にはリスクが伴いますが、現在では予防策や対処法が進歩しており、安全性が大きく向上しています。
- 後方矯正固定術
後方矯正固定術は、背中の真ん中に手術の切開を入れ、背骨の後ろ側にスクリューやフックを挿入し、それをロッド(棒状の器具)で固定する手術です。
ロッドを使って背骨を回したりねじりを戻すことで、できるだけ真っ直ぐに矯正し、背骨のねじれも減らします。
- 前方矯正固定術
前方矯正固定術は、胸部を開いたり、お腹の後ろ側の組織を広げて、背骨の前側(椎体)にアプローチする手術です。
そこにスクリューを挿入し、ロッド(棒状の器具)と連結します。その後、背骨に圧力をかけたり、ねじれを戻す操作を加え、できるだけ真っ直ぐに矯正します。
側湾症になったらやってはいけないことは?
研究によると、普段の生活習慣や動作は、側湾症と直接的な関係がないことがわかっています。
そのため、側湾症の人に「絶対にやってはいけないこと」は明確に示されていません。
ただし、側湾症の人は姿勢が崩れやすく、腰痛や体のゆがみが起こりやすい傾向があります。見た目のゆがみを防いだり、腰痛を予防するためには、長時間崩れた姿勢を取らないようにすることが大切です。
反動をつけるような動作
ストレッチをする際は、反動や勢いをつけるのは避けましょう。
無理な動きをすると、背骨に負担がかかり、症状が悪化したり、ゆがみがさらにひどくなる可能性があります。
安全に体を伸ばすためには、ゆっくりと無理のない範囲で行いましょう。
痛みを伴うストレッチ
側湾症の人が姿勢を整えるために筋トレをする場合、背骨が曲がっている外側(凸側)の筋肉を鍛えましょう。
間違えて内側(凹側)の筋肉を強化してしまうと、背骨のゆがみがさらに悪化する可能性があるためです。
また、ストレッチを行う際は痛みが出るまで無理に伸ばさないことが大切です。痛みが出るほどのストレッチは、背骨に負担をかけ、症状を悪化させる原因になってしまいます。
側湾症でお悩みの方はひらいボディケアにご相談ください!
今回は側湾症について詳しく説明しました。背中や腰の痛みが出ている方、ひらいボディケアにご連絡ください。ひとりひとりの体の状態に合わせて施術を行い、早期に根本改善し、一日でも早く快適に過ごせるようお手伝いをいたします。お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。