人工膝関節置換術は、膝の関節に対する手術療法として、人工的な関節を膝に留置して動きをスムーズにする効果が期待できると同時に生活の質を向上させることを目的として行われることが多くあります。簡単に手術といっても、膝の関節を人工物にすることや手術後のイメージなどがつきにくいことでしょう。今回は、人工膝関節置換術の詳細や手術にかかる費用、入院期間の目安などを解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
人工膝関節置換術の費用はどれくらい?
ではまず、人工膝関節置換術をした際に、どのくらいの費用がかかるのか解説していきます。費用には、手術や入院費など病院によってもかかる費用は異なります。特に入院費では、個室や大部屋、食費、レンタル用品など病院によっても定めている料金が異なります。そのため、詳細な金額等に関しては、あくまでも目安としてご参照ください。
手術にかかる費用
手術そのものにかかる費用は、術式によって定められている診療報酬によって一律です。人工膝関節置換術では、約200〜250万円であり、医療保険適応で3割負担の場合には約60〜80万円となります。
60〜80万円でもかなり高額ですよね。こういった高額な医療費がかかる場合には『高額療養費制度』という制度を適応すれば自己負担金額は約10万円になります。
ベッド・食事などの入院費用
入院時に必ずかかるものがベッドと食事の費用です。病院によって入院時に着用するパジャマやタオル、コップや歯ブラシなどの備品類も全て病院指定のものまたは業者との契約を行う必要がある場合があります。そのため、ベッドと食事以外にも別途費用がかかります。
ベッド費用は、個室や大部屋など部屋の種類によっても金額が異なります。また、個室料金は一律ではなく、病院によっても金額はさまざまです。個室代が1日5,000円程度の病院もあれば、1日20,000万円程度の病院などもあります。また、部屋の装備によっても金額は異なります。また、基本的に、個室代などの部屋料金は差額ベッド代として請求されるのが一般的です。差額の基準となるのは、大部屋の料金でありその料金との差額が個室代と称されます。そのため大部屋は部屋代はかかりません。
食事代については、厚生労働大臣が定めている1食につき460円の標準負担額というものがあります。これは、平均的な家計における食費から算出されたものです。しかし、住民税非課税世帯や難病などある特定の疾患や患者に限り、標準負担額が軽減される措置がとられることがあります。
通院リハビリにかかる費用
通院リハビリでかかる費用は、リハビリ単位やその日数によって異なります。リハビリ単位とは、1単位を20分として1日に18単位、1週間に108単位までと定められているものです。
また、保険適応としてリハビリを受ける場合には、医師の指示のもと最大180日までという期間があります。
一般的な医療費自己負担額1割である高齢者が90日間リハビリを受けた場合、約10〜15万円前後の費用がかかるものと想定されます。
人工膝関節置換術後は、1〜3ヶ月程度のリハビリが必要とされています。退院後すぐに回復するわけではないため、時間をかけてゆっくりと人工関節との付き合い方を学ぶ必要もあります。また、回復過程には個人差も大きく、リハビリの期間はそれによっても左右されるでしょう。
費用の合計
では、人工膝関節置換術で入院をした場合、総額どれくらいの費用になるのでしょうか。入院中には、食事費用や手術費用以外にもその他検査や薬剤の費用も加算されます。医療保険での金額でも請求額は多額になります。しかし、実際は高額療養費制度を適用すれば、数十万円程度となります。
人工膝関節置換術は保険を使える?
人工膝関節置換術では、公的医療保険が適用されます。また、高額療養費制度の対象にも含まれます。ただし、公的医療保険ではベッド代や食事費用は適応外となります。入院費諸々の費用に関しては、生命保険や介護保険など自身で加入している保険を活用すると良いでしょう。
人工膝関節置換術の費用を抑えるための2つの制度
入院するだけでも高額になる医療費ですが、手術となればさらに高額となることがわかりましたね。では、人工膝関節置換術を受ける際にどのように費用を抑えたら良いのでしょうか。ここで、活用できる2つの制度についてご紹介します。人工膝関節置換術だけでなく、さまざまな疾患の費用にも適応となる制度のため、知っておくと病院にかかる際も安心できるかもしれません。
高額療養費制度
まず1つ目は、前述でも度々出てきた『高額療養費制度』についてです。これは、厚生労働省が定めている制度で、ある上限額を超えた医療費を国が負担するというものです。そのため、自己負担額が大幅に軽減されます。この上限額は、年齢や所得、疾患によっても異なります。また、1ヶ月ごとの計算になるため月を跨ぐとその月それぞれの申請が必要となります。
限度額適用認定制度
2つ目は、『限度額適用認定制度』についてご紹介します。高額な医療費が発生する場合に、自己負担金額の上限額を提示することができる制度です。以前は、申請に手間がかかりましたが、現在はマイナポータル制度が普及しているため、マイナンバーと健康保険を連携さえしていればひと手間かかる申請をせずに、この制度が利用できるようになりました。
人工膝関節置換術は入院期間はどれくらい?
人工膝関節置換術の入院期間は、およそ2週間です。その他の手術でも入院期間が2週間である場合が多いです。
人工膝関節置換術をした後の注意点は?
人工膝関節置換術の術後、どのようなことに気をつけて生活を送れば良いのか確認しておきましょう。これらを知っていることで、傷の治りを早めるだけでなく、合併症を引き起こすリスクも軽減することができます。
体重管理を行う
人工関節を挿入したからといって、膝が新しくなっているわけではなりません。また、人工関節には寿命もあります。適正体重を維持することで、膝にかかる負荷を軽くし、人工関節の摩耗を軽減することができます。人工関節の寿命は約30年と言われていますが、過度な負荷がかかっている場合にはその限りではありません。再度、手術を要することがないよう体重管理はしっかりと行っていきましょう。
細菌に感染しないように予防する
入院という慣れない環境下や麻酔などの影響からストレスなども感じやすく、免疫力が低下します。また、人工膝関節置換術の傷は小さくもないため、炎症反応なども上昇します。そんな中で、創部から細菌などの感染を引き起こすと、関節内にまで影響を及ぼすこともあります。術後の感染は、治癒遅延を引き起こすだけでなく、敗血症や関節内の感染にもつながるため、創部を清潔にすることはもちろん、その他の衛生管理もしっかり行うと良いでしょう。
洋式を利用する
膝関節に負荷をかけることは良くないと前述しましたが、洋式トイレを使用することも負荷の軽減につながります。膝の屈曲は、人工関節に負荷をかけることもあります。そのため、洋式トイレを使用しなるべく膝の屈曲を和らげたり、正座をしないようにしたり、膝の曲げすぎに注意が必要です。
クッション性のある靴を履く
ジャンプをした際や段差から降りる際などに、膝を伸ばしたまま着地した経験はありますか?あまり意識してはいませんが、実は日常的に無意識に膝を曲げて衝撃を和らげているのです。膝は、足からの衝撃を直に受けやすい部位です。そのため、ヒールやソールが固い靴などは、衝撃を感じやすいため、膝に負担がかかります。クッション性のある靴やインソールなどで膝への負担を軽減することが重要です。
人工膝関節でお悩みの方はひらいボディケアにご相談ください!
人工膝関節置換術の入院期間はおよそ2週間で、退院後も1〜3ヶ月は通院リハビリが必要です。手術や入院費用は、高額になりますが、高額療養費制度や限度額適用制度の申請をすることで、実際の自己負担額は数十万円にまで減額することができます。
人工膝関節を何度も受けることは体にも大きな負担になります。再手術が必要とならないよう術後は、膝への負担軽減を心掛けましょう。また、通院リハビリ以外にも自宅でリハビリを行うことで、痛みを緩和できたり、よりスムーズな動きができるようになります。人工膝関節でお悩みなどありましたら、ぜひ、ひらいボディケアにご相談ください。